ラプソディ・イン・×××
「私ずっと思ってたんだけど、

ウォッカのビブラート、

エロいよね。

わざとでしょ?」


ニッと口角を上げたスミレに、

不意打ちにドキっとした。


肌に当たった電灯の明かりと

暗闇のコントラストが

相まって、

やけに色気を感じる。



「は?!エロいって、

何だよそれ!

別にわざとエロく

吹いてるわけじゃねぇし!」


慌てて否定したけど、

耳まで熱くなった。



普段は色気なんて

ないように見せかけといて、


刺激的な艶を隠し持ってて

不意に出す。


女って、怖い(笑)


こっちは面食らって

ドギマギしてしまう。



「照れない、照れない♪」


オレの否定を

肯定と受けとったのか、

スミレはクスクス笑った。


「私、ウォッカのサックス

好きなんだから」



「…それは、どーも」


風がふいたけど生温い。


熱帯夜だ。


ほてりは

そうすぐには冷めない。

変な汗かいた。



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