ラプソディ・イン・×××
リビングの窓を開けて、

ウッドデッキに出た。


外は

ちょっとした広場になっていて、

バーベキューに、

ミニ演奏会なんかできそうだ。


音も気にせずガンガン吹ける。


なんつーか、ほんとに、

ここは趣味の詰まった別荘だ。




湖の水面が

キラキラ反射している。


蝉の声。

鳥の羽ばたく音。




家の周囲を

ぐるりと埋めつくすように

植えられている

手入れの行き届いた緑色。


花がところどころ咲いている。



オレは庭に降りて

花に近づいた。



淡い白系のバラだ。


外側は白だけど、

中心にいくほど

薄いラベンダーっぽい

色になったキレイなバラ。



満開になったら、

かなり幻想的だろうな。


家の周りを取り囲むように

植えられているのは、

見るからに

一つの同じ品種のバラしかない。



こだわりでもあるわけ?



なぜか、

気になって仕方なくなって、

家政婦に電話をかけた。



「親父、バラなんて

好きだったっけ?」


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