ラプソディ・イン・×××
佐野椎南はまるで
蛇に睨まれたカエルのようだった。
オレは立ち上がった。
今こそ、
オレが守ってやるべきだろうか。
ていうのは大ゲサだけど、
親父のところまで
連れていってやるくらいは
…と思った。
けど、
オレの目には、
かつてなく
日岡が頼もしく見え、
佐野椎南も
そんな日岡に
一身にすがっている。
「…オレの出る幕なんてねぇな」
苦笑いして壁にもたれる。
「…だな」
ジンもフッと笑って
うなずいた。
動揺する親族には我関せず、
母さんはツンとした立ち姿を
崩さないまま、
頭を下げた佐野椎南に
応えるように
儀礼的に頭を下げた。
ピリピリした空気の中、
母さんはその場を離れた。
「なぁ、母さん、
どこ行くんだよ?」
追いかけると、
「私がいたんじゃ、
焼香しづらいでしょう」
渋い表情で母さんは
別室に入って行った。
蛇に睨まれたカエルのようだった。
オレは立ち上がった。
今こそ、
オレが守ってやるべきだろうか。
ていうのは大ゲサだけど、
親父のところまで
連れていってやるくらいは
…と思った。
けど、
オレの目には、
かつてなく
日岡が頼もしく見え、
佐野椎南も
そんな日岡に
一身にすがっている。
「…オレの出る幕なんてねぇな」
苦笑いして壁にもたれる。
「…だな」
ジンもフッと笑って
うなずいた。
動揺する親族には我関せず、
母さんはツンとした立ち姿を
崩さないまま、
頭を下げた佐野椎南に
応えるように
儀礼的に頭を下げた。
ピリピリした空気の中、
母さんはその場を離れた。
「なぁ、母さん、
どこ行くんだよ?」
追いかけると、
「私がいたんじゃ、
焼香しづらいでしょう」
渋い表情で母さんは
別室に入って行った。