ラプソディ・イン・×××
佐野椎南は、
しばらく
親父の遺影と向き合ったあと、
焼香を終えると
日岡とともに
早々に斎場から出て行った。
佐野椎南は
ほんの少し
ふっ切れたような顔をしていた。
今日、来てよかったと
思ってくれるといいけどな。
オレは親父の遺影に向かって
ちょっと笑って
心の中で語りかけた。
良かったな、親父。
佐野椎南は、
何て言ってた?
恨み言か?
それでもいいじゃん。
恨み言だとしたって、
最期に顔見れたんだからさ。
「母さん、なんで、
あの子に焼香許したの?」
佐野椎南が帰ったあと、
別室を出る母さんに尋ねた。
立ち止まり、
眉間にシワを寄せたまま、
母さんは短く息を吐いた。
答える気はないようだ。
母さんは歩き出す。
背中に向かって、伝えた。
「…ありがとう、母さん」
「…なんで
奏にお礼言われなきゃいけないの」
母さんは、
あからさまに
ムッとした顔をして振り返った。
「それより、奏。
同じ高校に通ってること、
いつから分かってたの?
どうして黙ってたの?」
しばらく
親父の遺影と向き合ったあと、
焼香を終えると
日岡とともに
早々に斎場から出て行った。
佐野椎南は
ほんの少し
ふっ切れたような顔をしていた。
今日、来てよかったと
思ってくれるといいけどな。
オレは親父の遺影に向かって
ちょっと笑って
心の中で語りかけた。
良かったな、親父。
佐野椎南は、
何て言ってた?
恨み言か?
それでもいいじゃん。
恨み言だとしたって、
最期に顔見れたんだからさ。
「母さん、なんで、
あの子に焼香許したの?」
佐野椎南が帰ったあと、
別室を出る母さんに尋ねた。
立ち止まり、
眉間にシワを寄せたまま、
母さんは短く息を吐いた。
答える気はないようだ。
母さんは歩き出す。
背中に向かって、伝えた。
「…ありがとう、母さん」
「…なんで
奏にお礼言われなきゃいけないの」
母さんは、
あからさまに
ムッとした顔をして振り返った。
「それより、奏。
同じ高校に通ってること、
いつから分かってたの?
どうして黙ってたの?」