ラプソディ・イン・×××
「…いや、」
オレは首をすくめて否定した。
「コレは借りたものだから。
いったん返して、
正式に譲ってもらおうと思って」
いくら?と尋ねたら、
マスターは、
微笑んで静かに首を横に振った。
「奏くん、…もう、
このテナーサックスが
どういうものなのか、
わかってるんだろう?」
マスターの問いかけに、
首をコクンと縦に振った。
「…はい」
「このテナーサックスは、
もともと、君のものなんだよ」
マスターは、
オレに座るようにうながし、
マスターも
カウンターのイスに腰掛けた。
マスターと並んで座った。
ラムは、
気をきかせて席を外した。
「今年の3月だったかな…。
君のお父さんから
預かったんだ」
マスターは
カウンターの上で手を組み、
今までオレに黙っていたことを
打ち明け出した。
今年の3月といえば、
親父が、
医師から
手術ができない状態であると
告知を受けた頃だ。
きっとその時、
余命の告知も受けたのだろう。
オレは首をすくめて否定した。
「コレは借りたものだから。
いったん返して、
正式に譲ってもらおうと思って」
いくら?と尋ねたら、
マスターは、
微笑んで静かに首を横に振った。
「奏くん、…もう、
このテナーサックスが
どういうものなのか、
わかってるんだろう?」
マスターの問いかけに、
首をコクンと縦に振った。
「…はい」
「このテナーサックスは、
もともと、君のものなんだよ」
マスターは、
オレに座るようにうながし、
マスターも
カウンターのイスに腰掛けた。
マスターと並んで座った。
ラムは、
気をきかせて席を外した。
「今年の3月だったかな…。
君のお父さんから
預かったんだ」
マスターは
カウンターの上で手を組み、
今までオレに黙っていたことを
打ち明け出した。
今年の3月といえば、
親父が、
医師から
手術ができない状態であると
告知を受けた頃だ。
きっとその時、
余命の告知も受けたのだろう。