ラプソディ・イン・×××
バーだから、

高校生のオレは入れないんだけど、

いいライブは

裏方から見せてくれたり。


一人っ子のオレにとっても

ラムは姉みたいなもん。




「ブルームーン…。青い月か…」


オレがつぶやくと、


「直訳やな」


ジンは軽く笑って、

自分用に入れたカクテルの

グラスを持ち上げ

味見の前にじっと眺めた。


カクテルは見た目も大事だ。



「それ以外にどう訳すんだよ。

他に意味あんの?」



「さあ、それは

名前つけた本人らにしか

わからへんやろ」



そりゃあそうだ。



ていうか、大事なのは

名前じゃなくて、

演奏そのものだ。





家に帰って、

さっそくパソコンを開いて

動画サイトにアクセスした。


ブルームーン。


「…へぇ」


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