ラプソディ・イン・×××
「…た、ただの、

音楽仲間ですよ」



答えながら、

声が裏返るかと思った。




スミレが、

腕を伸ばして

オレの身体を抱きしめた。


強く、優しく。



過去の何度かの情景が

頭ん中に

勢いよくカムバックしてきて、


“まったくやましい関係ではない”

そう言わなければならない

場面だったけど、

言葉とは裏腹に

身体が強張った。



あれを誰かに見られてた

…ってことか?!



赤面しそうだった。

なんとか冷静を保った

…つもりだけど。




つーか、オレら、

そんな疑われるような

変な関係じゃねーし!




校長は、

オレの顔から

じっと目を離さずに言った。



「昨日、真鍋さんにも

話を聞いたら、

君と同じように、

音楽仲間だと言っていたよ」



校長は、

オレより先に

スミレに話を聞いていたようだ。



昨日の夜、

音楽棟で会ったけど

スミレは全然そんなこと

言ってなかったのに…。




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