ラプソディ・イン・×××
「当たり前じゃないすか。

仲間っすよ。


…なのに一体、

誰がそんな変なこと

言ったんすか?」



聞いたら、

校長と担任は顔を見合わせた。



担任は顔をしかめて言う。


「誰が言ったとかいうのは

問題ではないの。

話が出たことが問題なのよ。

わかるわね?」


たしなめるような担任の口調。


どこからの情報なのか

明確な答えはもらえなかった。




「…親父が、死んだんスよ」



仕方なしに

オレは白状する風に言った。



担任と校長は、

顔を固くして

黙ってオレの話の続きを

待っている。



「…先週、

離婚してた親父を

看取ったんです。


オレはこの学校に

友だち少なくて、

身近に話せる人は

ほとんどいなくて、

それもあって、

頼ってしまったところが

あったかもしれません。


でもそれは、

勘ぐられるような関係じゃ

ありませんから」



何とか大事にならないように、

オレは説明した。



事実なんだけど

嘘っぽくならないか、

ハラハラしながら。



< 166 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop