ラプソディ・イン・×××
「…そうだったのか。

それは大変だったね。


…ならいいんだが、

話が出た以上、

事情を聞かないわけにも

いかなくてね。

すまなかったね」



痛々しいものを見る目で

校長は言った。


だけど、

完全に目が笑っていない。


スミレとの関係を

100%信じてもらえたわけじゃ

なさそうだ。





とりあえず今回は

事情を聞くだけってことだった。




やましいことがなくても、

見る人に誤解を与えてしまう

こともあるから、

それだけは

意識しておいて欲しい。



そう注意を受けるだけで

帰された。




つーか、一体、

どこの誰が、何を見て、

告げ口なんてしたんだよ。



腹立たしい気持ちと、

ちょっとした恐怖も感じた。


それに、

スミレのことが気掛かりだ。



変な噂が立つことで、

オレは別に大丈夫だけど、

スミレの立場的に、

マズいことになったりしたら…。



廊下の窓から、

図書館を眺める。



夏休みでも開いてるから、

スミレも出勤している。


今も図書室のカウンターに

座ってるはずだ。



行って、

少し話せないかなと思った。



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