ラプソディ・イン・×××
校舎から出たところで、

ある女の集団が目についた。



体育館から出てきたその集団は、

どうやら休憩に入った様子の

ダンス部の連中だった。



フリアも所属していた

うちの高校のダンス部は

結構有名なチームで、

夏休みも毎日練習している。



その集団の中で

見知ったメンバーの一人が

オレをジロジロ見ていた。



ミケだ。


三宅(ミヤケ)だからミケ。


2年生だ。



小柄で目がくりっとしていて、

人懐こい可愛いタイプで、

ダンスも努力家で

上手いからって

フリアがもっとも可愛がってた

後輩の一人だ。



ミケとはフリアつながりで

オレも話をするくらいの

仲だった。



目が合うと、

ミケはニッコリ笑って、


「ウォッカ先輩〜!!」


ポニーテールを揺らしながら

オレに駆け寄ってきた。



「聞きましたよ〜♪」


開口一番、

ミケは

意味深な笑みを浮かべて、

肘でオレの腕をつついてきた。



「聞いたって何を?」


「も〜、さすがウォッカ先輩!

スミに置けないんだからぁ!」



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