ラプソディ・イン・×××
テキーラと二人で、

暗くなった校内の自販機前で

ペットボトルをぶつけ合って

乾杯した。



水道の蛇口を勢いよくひねって、

顔を洗う。



「はーっ、スッキリしたぁ!!」



弾く水滴。


胸ん奥から、余計なもん、

抜けきった感じだ。




「気晴らしのつもりが、

ガッツリやっちまったな」


テキーラは、大きく背伸びした。



「ああ」


オレはスポーツドリンクを

浴びるように飲んで、

口元をぬぐった。



「スゲーよかった」


「観客マジ盛り上がってたし」



いまだ興奮が冷めやらない。



「ジャンルも楽器も何だっていい。

上手い奴とやると、

自分も今以上になれんだ。

ウォッカとなら

スゲーいいのができそうだ、

って、いつも思ってたけど、

想像以上だった」


普段は、

比較的クールなテキーラが、

ハイテンションでオレを褒めた。



< 189 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop