ラプソディ・イン・×××
「よせよ、照れんじゃん。

そんなすごくねぇよオレ」



「ううん。スゴイよ。

私にとってウォッカは、

そんな覚悟をくれた

本当に大切な仲間だから」


スミレは語尾を強めに言った。


大切な“仲間”だと。




「オレにとってもスミレは、

大切な仲間だよ」


オレも言った。


本心だ。



だけど、

内心、スミレに、

私たちは“仲間”。

それ以上じゃないから。

って牽制でもされた気分だった。



いや、単に、

あれぐらいの関わりなんて

仲間の領域を出ない、

ってことなのかも。


とにかく“仲間”。



オレと同じように、

関係を問われて、

スミレも改めて考えたんだろうな。



心の中の薄雲が

分厚くなっていく。



慌てて“大丈夫”だと

自分に言い聞かせた。


弱ってすがりつくような予定は

もうないじゃん?って。




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