ラプソディ・イン・×××
オレの気をよそに、

スミレはニコニコして言った。


「だから、気にしないで。

校長先生に呼び出されたのは

ビックリしたけどさ、

その前から辞めようって

考えてたことだったから」


今後が楽しみで

仕方ないんだろうな。




離れていく。


オレの知らない場所へ。

行ってしまう。



メジャーのグループに入る

チャンスをつかんだスミレに、

嫉妬でもしてるんだろうか。



オレって、ちっさすぎ。




「…そっか。

なら、よかったけど。

実はオレらの関係が

怪しいってチクったの、

フリア…あ、オレの元カノ

だったんだ。

それは悪かった。

あいつ、マジ何考えてんだか…」


頭下げたら、スミレは、



「フリアさんのこと、

悪く思わないであげて」


意外なセリフを口にした。


真剣で痛々しいものを見るような、

そんな表情だ。



「え?どういう意味?」



「フリアさん、実はね……」








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