ラプソディ・イン・×××
「何で、フリアがそんなこと…」


ア然とするしかなかった。



『…フリア先輩、

大学の推薦ダメに

なっちゃうかもしれない』


ミケは心配そうな声で言う。



オレはミケの電話を切って、

慌ててフリアに電話をかけた。


留守電に切り替わる。



しつこくもう一回かけたら、

『…何?』と、フリアが出た。


低くけだるい声。



「ミケから聞いたんだけど」


そう切り出すと、

フリアは無言になった。



「ちょっと出てこれねえ?」


直接話がしたかった。



しばらく無言だったフリアは

ようやく消え入りそうな声で

答えた。


『…無理』



「何で」


『親、怒ってて。

外出してくんないの』



「マジか…」


頭かきつつ、そうだろうな、

と思った。



だって、フリアの両親は、

今どき珍しく厳格な親だった。


門限は、9時だし。




ダメ元でフリアの家に行った。


洋風の一軒家。



玄関先で、

厳しい顔をした母親に、


「今は誰とも会わせられない」


案の定取り合ってもらえず、

追い返された。



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