ラプソディ・イン・×××
『…ノリでね。少し。

で、カラオケ出たら

ホテル誘われたから、

イヤって言ったら…、

強引に連れて行こうとするから…』



それで騒ぎになって、

警察が出てきたってわけか。


んで、未成年のフリアは

補導された。


オレはため息をついた。



「そりゃ、男にしたら、

はじめっからソレが目当てだろうよ。

わかんだろ、それぐらい」



呆れて言ったら、

フリアは目線を落とした。



『…はじめは、

どうなってもいいやって気持ちは

あったけど。

だからカラオケにも行ったけど。

好きでもない男とするのは

やっぱイヤだったから…』



「当たり前だろ。

お前そんな安い奴じゃないじゃん。

だいたい何でナンパなんかに

ついて行ったんだよ」



『…わかんない。今思うと。

バカだったって思ってる。

だけど、そんときは、

ほんとにそんな投げやりな

気持ちだった。

ウォッカには

わからないだろうけど』


とぎれとぎれの弱々しい声。



ヤケになるなんて、らしくない。


普段、ナンパ野郎なんか、

毛嫌いしてたフリアが。



たぶん、

そこまでフリアを追いつめたのは

オレだ。



< 208 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop