ラプソディ・イン・×××
オレが校長に呼び出されたあの日。



フリアと図書館前で会ったのは、

偶然じゃなかった。



スミレが言っていた。



『フリアさん、私を訪ねて来たの。

謝るために』



『謝る?何を?!』



驚いたオレに、

スミレは説明してくれた。


フリアがスミレに話したことを。



『“私とウォッカが仲良いみたい”

ってほんの軽く話しただけ

みたいなの。

信用してたお友達に

軽はずみで話したことが、

いわゆる尾ヒレがついて、

先生に噂が回っちゃったみたい』



−何だよ、それ。


だったらオレにもそう言えば

よかったじゃねぇか。



『こんなはずじゃなかった。

軽はずみで口にしたことを

後悔してる、って。

本当にごめんなさい。って

何度も頭を下げてくれた。

例え本当に私とウォッカが

付き合ってたとしても、

バラして離れさせるやり方は

フェアじゃない、って。

噂が回るなんて不本意だ、って。


フリアさん本当に良い子だよね。

ウォッカ女見る目あるよ』



と、スミレは、

微笑ましげに目を細めた。



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