ラプソディ・イン・×××
物言わぬ瞳は、何かを隠してる。


それが、余計

人を遠ざけてしまってんだろうけど。


そうなってしまう、

事情もあんだろうし。



なら、佐野椎南を

そっとしといてやりたい。



バラの庭に佇む、

まるで聖女みたいな

雰囲気と平穏を


オレは密かに守りたかった。



それが使命のように思っていた。




佐野椎南は

オレのこと知らない。



オレも

佐野椎南のことを知らない。



けど、昔から知っている。




“椎南(シイナ)”って、

まるで名字みたいな響きの

名前の由来も。



それよりも、


もっとよく知ってることだって

あるんだ。






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