ラプソディ・イン・×××
開いた口がふさがらなかった。


引きで映された荒い動画じゃ

わかるわけねぇ。



でも下唇の端の下のホクロに

見覚えがある。


よくよく見たら、

やっぱ図書室の先生に間違いない。


…世間って狭いな。



あんぐりとしてるうちに、

ブルームーンの出番になった。


送り出し、

舞台袖から生演奏を観た。




「マジかよ、これでアマチュアって…」


思わず、口をついて出た。




ブルームーンの四重奏は、

素晴らしかった。



音がいい。


合奏がいい。


鳥肌が立ちっぱなしだった。


四重奏、オレもやりたいな。



音を聴きながら、

目はテナーサックス吹きの女に

くぎづけだった。



Tシャツの下で

体が泳いでるってくらい、

小さくてほっそい体に、

アルトよりも一回りデカい

テナーサックスが

必要以上にばかデカく見える。


ものともせずやすやすとプレイする。


…カッコイイな。


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