ラプソディ・イン・×××
いよいよオレの出番だ。


客席はほぼ満員だった。



ステージに立ったら、

一際大声でオレに歓声をおくる

女が目に入った。


フリアだ。


跳びはねて大きく手をふってくる。



こうやって、別れた後も

サックスプレイヤーとしての

オレを応援してくれている。




軽く微笑んで、

正面をむき、

アルトサックスを構える。



一新してやる。


ブルームーンの余韻が

まだ残る会場を見渡し

観客に挑戦する。




ついて来い。


オレの世界に。





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