ラプソディ・イン・×××
6月に入った。



衣更えして、

いよいよ夏が近づいたって感じ。




相変わらず

サックス漬けの毎日のオレに、

サックス四重奏ブルームーン

(図書室の司書)のスミレから

サックスのことで話があるって

呼び出された。



放課後、

旧校舎内の、閉まった元図書室に。




「本、無くなってんじゃん」


一足先に図書室に入ったら、

以前床に山積みにされてた本は

きれいさっぱりと無くなっていた。


そいや、業者が処分するとかって

スミレ言ってたな。



オレは窓から裏庭をチラ見した。

まだバラは咲いている。


そして、そこには

佐野椎南の姿もあった。


バラの世話をしてる

日岡っていう化学教師と

何やら話しているようだ。


女子高生と若い男性教師。


禁断の花園って感じだな。


この二人、授業とかでも

接点ないはずなんだけど。


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