ラプソディ・イン・×××
「魚塚くん。

呼んだ理由単刀直入に言うね。


今月16日の土曜の夜なんだけど、

空いてるかな?」


唐突。

二週間後だ。


「土曜?」



その日の土曜っていや、

ブルームーンは、

ラムんとこのジャズバーで

ライブある日じゃん。



観に来て、とかそんな誘いかな?

と思いきや、

スミレは真剣な顔をして言った。



「ブルームーンとして

一緒にライブ出てくれない?」



「…はい?」



「その日の夜、私たち

“south”っていうジャズバーに

出演することになってるんだけど、」



「それは知ってるけど。

アルト増やすの?」



「ううん、うちのアルト、

昨日仕事でケガして…。

あ、ケガはたいしたことないんだけど、

…手首がちょっとね。


だから今回のライブには

間に合いそうにないのよ」



スミレは困った顔でオレを見る。


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