ラプソディ・イン・×××
「でも僕たちみんな、

あのバーでの演奏を楽しみにしてて、

キャンセルしたくないんだ」


小太りの男が

人の良さそうな細い目を

もっと細めて言う。



気の弱そうな細長い男も

力強くうなずいた。



スミレも祈るように

指を組み合わせて

必死にオレを見ている。



四人の目は

真剣そのものだった。



どうしても

オレにアルトの代役として

参加してもらいたい。


その気持ちが

はっきりと見てとれる。



オレは

真剣にサックスやってる奴らが好きだ。




「とにかく、

一度合わせてやってみないことには」


オレはマイサックスを取り出した。


スミレたちもサックスを取り出す。


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