ラプソディ・イン・×××
「カギ?」


「ジャズ研の部屋のカギ。

ま、いつも誰かしらいるから

開いてると思うけど。


ブルームーンのメンバー、

仕事の関係で

行くの遅くなることもあるから。

私は派遣だから

定時には終わるけどね。


部屋閉まってたら、

勝手に入って好きに使って」



「サンキュー」


カギを受け取った。

微かに指が触れた。



…ん?


「…どうかした?」


「いや、何でもない」


人の気配がした気がして

階段を見下ろしたけど、

気のせいだったみたいだ。



「それよりさ、先生、質問。

“ブルームーン”って

どんな意味でつけたの?」



「ブルームーンを結成した日が

ちょうどブルームーンだったからよ」


「え?」



「ブルームーンを見ると

幸せになれる、っていう

素敵な月夜にちなんでつけたの」


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