ラプソディ・イン・×××
ブルームーンの練習場に行ったら、

いたのはスミレだけだった。



他のメンバーは、

仕事の都合で少し遅れるらしい。


二人だけど、

室内に二人っきりってわけじゃない。


単にブルームーンのメンツが

遅れてるだけで、

部屋ん中には他にも人いて、

各々練習に励んでいる。




「じゃ、先に二人で合わせてよーぜ」


アルトを構えてスミレに声をかける。



「了解」


スミレもテナーを構え、

オレと向き合った。



練習するときのスミレは、

「動きやすいから」と

眼鏡をはずしてTシャツに着替える。


ラフなTシャツの下に、

タイトなスカートとストッキング。

足元はパンプス脱いで、

クロックス。


アンバランスだけど

本人はまったく気にもしてない。




オレの合図で、

オレの高音とスミレの低音が重なる。


キレイに一体化して

響きわたる音色。


周囲が練習の手を止めて、

オレらに注目したのがわかった。


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