ラプソディ・イン・×××
「…えーっと、

ああ、これだよ。

ブルームーン。

ちょうどキレイに咲いてる」



日岡の指ししめした場所には、

ジンに見せてもらった

写真のカクテルの色と同じ、

薄紫色のバラが咲いていた。


大輪のバラだ。


薄紫のはかない色をしているのに、

妖艶な存在感。


これがブルームーンだ。


吸い込まれるように、

まじまじ眺めた。



「ブルームーンがどうかした?」


「いや、ちょっと見てみたかっただけ。

キレーな色だな」


顔を近づけたら、

甘い香りがした。


オレは身体を起こして日岡を見た。


「そうだ、日岡先生。

ずっと礼言おうと思ってたんだ。

中間試験、なんとか赤点免れた」



「そっか。よかった」


日岡は、安堵の笑みを浮かべた。





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