ラプソディ・イン・×××
気づいたら1時間半近くたっていた。



「ゴメン、先生。

ずいぶん付き合わせちまって」


「いいよ。これで大丈夫?」



「なんとかなりそう!!

日岡先生超感謝!!

オレが女だったら

マジ付き合いたい!!」


オレは

両手をすり合わせて拝んだ。



日岡の真面目くさった表情が

「何だそれ」フッて崩れて

笑顔になった。



冗談の通じる奴に

悪い奴はいない。



「先生、ケータイも黒だろ」


唐突だけど、あえて断言したら、

日岡は「え」って驚いた。

「何で知ってるの?」


「だいたい想像つくじゃん」


目線を落とすと、

靴下と室内履きも黒系だった。



こだわりがあって

黒選んでるっていうよりは、

無難だから黒選んじゃってる

タイプみたいだな。


日岡が苦笑いして

取り出したケータイは

やっぱ黒で笑っちまった。


若いくせに

ネクタイもシンプルだしさ。

持ち物も全部地味。


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