ラプソディ・イン・×××
オレは感心しながら

バラを眺めた。


けど今どきの高校生は、

花より男子女子?

一番の興味は恋愛。

ゆっくり花見て和みやしねぇ。


いつも閑散としてる。



だけど…


「あ、いた」


咲き誇るバラの前に、

一人の女子がたたずんでいた。


吸い込まれるように

バラに見入っている

長い黒髪の、清楚な風貌の女子。


バラと一体化して、

それこそ一枚の絵画にでもなりそうだ。


そんな風景に

似合う曲ってなんだろうな。


オレはサックスを吹きはじめる。


誰が吹いてるか知らなくても

音はあの子に届いてる。


音色に耳をかたむけるしぐさが

見える(気がする)から。



その女の子は、

同じ高校3年生なんだけど、

一度も同じクラスになったことない。

一度も話したこともない。



よく図書室にいる子だった。


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