ラプソディ・イン・×××
♪×3
オレにはサックスがあった。
それがどんなときでも
絶大な支えになっていた。
サックスと出会うまでのオレは、
何にもなかった。
どちらかと言えば、
オレは恵まれている。
同じ境遇のあの子よりもずっと。
「ったく、んなこと
メールで言って済ますなよ」
わざわざ面と向かって言われても
反応に困るんだけどさ。
放課後、
いつもの旧校舎の4階で、
サックス片手に窓際の机に座って
窓の外に目を向けて
ぼんやりしてた。
『あの人、転院するんだって』
母親からの短いメール。
それでも悟るには十分だった。
もう、ヤバいんだな、親父。
って言おうと口を開いたけど
声に出せなかった。
それがどんなときでも
絶大な支えになっていた。
サックスと出会うまでのオレは、
何にもなかった。
どちらかと言えば、
オレは恵まれている。
同じ境遇のあの子よりもずっと。
「ったく、んなこと
メールで言って済ますなよ」
わざわざ面と向かって言われても
反応に困るんだけどさ。
放課後、
いつもの旧校舎の4階で、
サックス片手に窓際の机に座って
窓の外に目を向けて
ぼんやりしてた。
『あの人、転院するんだって』
母親からの短いメール。
それでも悟るには十分だった。
もう、ヤバいんだな、親父。
って言おうと口を開いたけど
声に出せなかった。