ラプソディ・イン・×××
ヤベーな、

動揺してんのかもオレ。



頭をかきむしった。


知ったことか。


そう思いつつも、

胃がひっくり返ったみたいに

気持ち悪い。





三ヶ月前、

「手術はもう無理みたいだ」

って親父も言ってたもんな。




思い出したら腹も立ってきた。



最後に親父に会ったその日は、

サックスのコンテストだった。



まがりなりに最優秀賞とって、

審査員にも絶賛されたオレの演奏に

ケチつけやがった。



「まだまだだな」

「ノビが足りない」だとか、

「調子に乗るなよ、

お前がまだ“高校生”だから

審査が甘くなってんだぞ」だとか。



出来るかぎりプレイしきった。


けど親父がつけたケチの内容は、

オレ自身思い当たるフシもあった。


だからよけい腹が立ったんだ。



コンテストの日以来、

親父とは会っていない。



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