ラプソディ・イン・×××
「ハジけてたって、

どんだけ熱くなってたって、

冷静さは失わないところかな。


だから、今みたいな、

イラ立ったような無茶苦茶な吹き方、

らしくない」



遠慮のないハッキリとした

スミレの口調。


…覚えてない。

オレ、どんな風に吹いてたか。




「何かあったなら、

今夜は練習やめとく?」


「なんで?

本番までもう時間ないじゃん」



「自分の演奏

コントロールできなきゃ、

合奏なんて無理でしょ」


スミレは、ねぎらうように

オレの肩をポンポンと叩く。



オレはその気遣いを

ソッコーで拒否った。



「いや、やりたい。やるから」


「…でも…」


「やる。大丈夫」


集団行動中に、

個人的な感情

コントロールできないほど

子供じゃないつもりだし。


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