ラプソディ・イン・×××
「よし、じゃあ後は本番。

頑張ろう!」



ブルームーンライブ当日の夕方。



いつもの練習場所

(大学の音楽棟)で、

最終確認を終えた。




まだ本番まで時間あるから、

楽器の手入れをしたり、

腹ごしらえしたり、

各々準備に余念がない。




「ウォッカ、ちょっとええか?」


練習を見に来てたジンが

オレを呼んだ。



音楽棟を出て、

外のベンチに座ったとたん、

小難しい顔で聞いてきた。


「見舞いには行ったんか?」



「…出し抜けだな。

そんなヒマどこにあんの」


連日連夜練習漬けだっつーの。



「顔、やつれとるで。

痩せたんちゃう?大丈夫か?」


「そっかぁ?どこが。

体重計ってないから、

わっかんねぇや」


オレは自分の頬を茶化して触る。



「無理しとんとちゃう?」


「無理なんてしてねぇし。

つーかオレのパフォーマンスに

何か問題でもあった?」


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