ラプソディ・イン・×××
小難しい顔したままのジンに、

挑発的に聞き返した。



「…いや。いつも通りやった」


「だろ?

オレを誰だと思ってんの?

親が死んだって舞台には上がる。

で、最高の演奏をするぜ」



「…まだ死んでへん」


ジンの真面目な声。


返事の代わりに笑って見せた。

乾いた笑いが出た。


ジンも少しだけ笑って、

オレの頭を小突いた。



「…後悔すんで」



「しねぇよ、今さら。

あんな親父死んだって」





「えっ」


その声に反応して、

オレとジンは同時に振り返った。



茫然としたスミレが立っていた。


聞かれた…みたいだな。


ジンを睨む。


ジンのせいで

面倒なこと聞かれちまったじゃん。




「じゃ、オレ、

バイトあるから行くわ。

ライブ頑張れよ」


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