悪魔のようなアナタ(番外) ~with.Akari~
ポーランド……。
なんとなく美味しそうな感じだ。
ふむふむと思った灯里に、玲士は低いテノールの声で続ける。
「種別としてはウォッカ。別名、世界最強の酒」
「……」
「アルコール度数は96度。酒というよりエタノールに近い。消毒用に使われることもあるらしい。飲んでる間は煙草も含め火気厳禁」
「……は?」
「ちなみに蒸留回数は17回。気が狂ってるとしか思えないね。初めて作ったヤツに拍手を送るよ」
「ってあたしに何飲ませようとしてんのアンタ!?」
灯里は目をむいた。
――――聞いた自分が間違っていた。
灯里はメニューを奪い取り、ばっと開いた。
その隣で香川さんがお腹を抱えて笑っている。
「あははは~。やっぱ最高ね~」
「どこがですか!?」
灯里は叫ぶように言った。
もはや自分が何をしにここに来たのかわからない。
灯里はメニューをざっと眺め、その中の一つをびしっと指差した。