悪魔のようなアナタ(番外) ~with.Akari~
「これっ! 普通の梅酒サワーでいいっ」
「そう? ……なんだ、つまらない」
「アンタを楽しませるために来たわけじゃないっ!!」
はぁはぁと灯里は肩を大きく上下させた。
……なんだか、とても疲れた。
既に飲み会という雰囲気には程遠い。
はぁぁと肩を落とした灯里の視界の端で。
店の入り口の方から、見覚えのある人物が入ってくるのが見えた。
切れ長の一重の目に、意志の強そうな口元。
一見優しげな感じではあるが、切れ者という雰囲気が全身に漂っている。
神園晃人。32歳。身長186cm、血液型B。
灯里の幼馴染で、若いながら取締役という役職についている。
性格は優しく穏やかだが、キレると苛烈で容赦がない。
ある意味絶対敵に回したくないタイプだ。
「あれ? 晃くん?」
灯里は思わず声を上げた。
なぜ晃人がここにいるのか?
と首を傾げる灯里の前に晃人はすたすたと歩み寄ってきた。