悪魔のようなアナタ(番外) ~with.Akari~



「おいで頂いて光栄ですわ、神園役員」

「いや、こちらこそ誘っていただき感謝する」


目の前で大人の会話が繰り広げられる。

灯里は思わずまじまじと二人を見た。

その脇で玲士がドリンクメニューを晃人に手渡す。


「どうぞ」

「すまない」


一見普通の会話だが、二人の間には絶対零度の冷たい火花が飛び散っている。

灯里は青ざめた。


なんだろう。

なんか世界の終末の鐘の音が聞こえたような、そんな気がする。


「しかし、まさか君も参加するとはな。意外だ」

「そうですか? おれはあなたが来る方が意外でしたが」


苛烈なバリトンの声に、ブリザードのようなテノールの声。


――――やばい。


これは、やばい。

灯里はぶるぶる震えながら、無理やり笑顔を浮かべて香川さんを見た。


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