悪魔のようなアナタ(番外) ~with.Akari~
「あら~。どうしたのかしらね、吉倉さん」
灯里の姿が消えた後。
香川さんは不思議そうに首を傾げた。
その前で晃人は唇を歪めて笑う。
「……まあ、いいだろう。灯里には聞かせたくない話もいろいろある」
「今さら善人ぶっても遅いですよ。……でもまあ、そこは同感ですね」
玲士はブリザードのような瞳を細め、うっすらと笑った。
その隣で晃人がくくっと昏い笑みを浮かべる。
そんな二人の前で、香川さんは肘をついてテーブルに身を乗り出した。
「……なんだか面白い話が聞けそうね?」
――――それから三人がどんな会話をしたのか。
灯里は知らない。
けれど灯里が聞いた終末の鐘の音は、幻聴でも空耳でもなかった。
灯里の知らないところで、想像を絶する、終わりなき過酷な戦いが始まっていたのだった……。
[悪魔のようなアナタ ~with.Akari~ 完 ]