悪魔のようなアナタ(番外) ~with.Akari~
香川さんは必死の表情で灯里を見つめる。
灯里はその迫力にたじろぎ、一歩後ずさった。
香川さんがここまで必死になるなんて……。
香川さんにはこれまでいろいろとお世話になっている。
灯里はうーんと考え込んだ。
飲み会に誘われるのは久しぶりだ。
たまにはいいかもしれない。
灯里はこくりと頷いた。
「わかりました。ちなみにメンツは何人ですか?」
「4人よ。みんな社内の人よ」
「えっ、そうなんですか?」
「部署はそれぞれバラバラだけどね。みんな普通の人よ~」
『普通の人』。
灯里はきらっと目を輝かせた。
なんかこの頃『普通の人』に飢えてる気がする。
『普通』の大切さを痛感する出来事が多々あったような、そんな気がする。
『普通』という言葉がひどく懐かしい。……そんな気がする。
「行きますっ!」
灯里は力強く言った……。