悪魔のようなアナタ(番外) ~with.Akari~
夜19:30。
灯里は香川さんとともにテーブル席に座っていた。
店は繁華街から少し入ったところにある創作和食の居酒屋で、テーブル席の他に座敷席の個室がいくつかある。
「そういえば、あたしのかわりに行くはずだった子って、誰ですか?」
灯里は隣に座った香川さんに聞いた。
香川さんはくすくす笑いながら灯里を見る。
女から見ても香川さんは艶っぽく、女の色気に満ちている。
「あぁ、言ってなかったわね。総務部の美奈ちゃんよ」
「え、そうなんですか?」
「でも彼女ホラ、突然出向になっちゃったじゃない? あれからバタバタしててね~。キャンセルするって連絡があったの」
「そうなんですか……」
灯里は声を落とした。
子ネコのような美奈は灯里から見ても可愛らしい。
美奈の代わりに自分となれば、相手はガッカリするかもしれない。
と肩を落とした灯里を香川さんは目を細めて見つめる。