悪魔のようなアナタ(番外) ~with.Akari~
……まさか。
香川さんは『みんな普通の人よ~』と言っていた気がする。
しかし。
灯里はふるふると震えながら口を開いた。
「かっ、香川さん……」
「あら、なぁに? 吉倉さん」
「香川さんの『普通』の基準って何ですか!?」
灯里は思わず叫んでしまった。
こいつが『普通の人』ならジェイソンも貞子も『普通の人』だ。
地球外生命体ですら『普通の人』という扱いになる。
青ざめた灯里に、玲士はうっすらと笑って言う。
「ひどいこと言うね、お前。おれ以上に普通な人間がどこにいるの」
「……」
ダメだ。
こう言ってる時点で普通ではない。
灯里はふらっと立ち上がり、席を立とうとした。
もう一人がどんな人でも、こいつがいる限りまともな飲み会になるはずがない。
きっと血で血を洗う飲み会になるだろう。
と立ち上がりかけたその時。