真夜中のささやき【密フェチ】
真夜中のささやき
彼の声は、低すぎて通らない。
「――すいません」
一緒に食事に行って、彼が店員さんを呼んでも、たいてい気づいてもらえない。
「…何、もう一度言って?」
「ごめん、いいや。
大した話じゃないし…」
普段の会話にも、不都合が生じる。
こうしたやりとりが日常茶飯事だから、ときどき歯がゆい思いもする。
だけどそれ以上に私は…
彼の声が、好きだ。
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