夢中パラダイス!?

「いや、なんでもない。ただ、きれいだなと思ってな。」

「だな。すげーきれい。」


本当は、香織の横顔が、と言いたかったのだがそんな恥ずかしいことは言えず。


「あれ、おとめ座だな。」

「どれだ?」


「あそこの」


そう言って香織が指をさした方向を見た。

そこには、確かにおとめ座があった。



「よくわかったな。」

「だって、僕の星座だから。」


「え?」


「僕、9月7日が誕生日だし?」


そういえば、私はまだ香織の誕生日を聞いたことがなかった。
だから今聞いたとき驚いてしまった。


なぜなら・・・


「その日って・・・」


「そ。それが言いたくてここに今日来たようなもんかな。」


9月7日は私と香織が付き合い始めた日だったから。

そして今日は11月7日。


「なぜ、今日プラネタリウムに?1か月の時でもよかっただろう?」


「いや。今日でよかった。」

「ん?」


その続きは言ってはくれなかった。

でも、そのあとに待っていたことで少しわかったような気がした。




プラネタリウムが終わり、外に出た。


外はまだ昼間で明るい。
少し目がくらむようだった。


「どうだった?感想は。」


「あぁ。すごくきれいで感動した!また来たいな。」

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