夢中パラダイス!?
「また。これたらいいけどな。」
「え?」
「いや。何でもない。」
香織の言葉に違和感を感じながらも「行こう」と言われて歩き出す。
しかし、私の足はすぐに止まった。
「き、みは・・・」
「・・・・・・」
そこにいたのは、同じクラスのあの人と、あの女。
最近は会うことがなかった。
同じクラスでも。廊下ですら会うことはなかった。
理由は、あの人は最近学園に来ていないからだ。
ここ2か月くらい。
なのに、なぜ今ここに?
「姫乃さん。」
「・・・っ」
「お久しぶりね。って、前に会ったときも言ったかしら?」
「そ、うかもしれないな・・・」
「最近学園で見かけても、話しかけちゃいけない気がして・・・。今日たまたま会えてよかったわ。」
たまたま―――
隣を見ると、そこには一点を見つめている香織がいた。
香織、これはたまたまなのか?
「えっと・・・こちらの方は?」
「え・・・」
「あ、僕ですか?僕は犬正香織といいます。」
「いぬまさ、かおる・・・。そう。姫乃さんと?」
「えぇ。付き合っています。」