夢中パラダイス!?

『自分に似たもの』


そのテーマにそって、私は考えたのだ。

今の私は、これだ、と。



それは、ただの白いキャンパス。


私は、これだ、と。



先生も驚いていた。
美術の好きな私がこんなことをして提出をするなど考えもしなかったのだろう。



それでも、私はこれも一種の芸術だと言い張った。
先生も、しぶしぶ飲み込んでくれた。





今、自分の目の前にある絵には、おそらく何かが描かれている。


それはきっと見てはいけないもの。

心が震えている。


怖くて、怖くて、すごく怖い。



それでも、見たい。
見てみたい。



思い出したい―――



そんな衝動に駆られた。


なぜ、怖いのに見たいのか、何を思い出したいのか。


わからない。だから、見て解決したい。



「見た方がいい。」



急に後ろから声が聞こえた。
その声は、香織だった。


「どうして、そう思うのだ。」


「さぁ。どうしてだろう。」

「・・・・・・」


「怖いか?」

「っ・・・」

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