夢中パラダイス!?

教室の中ではいろいろな会話がされていたが、時々私と彩花のことを見て話をしている人もいた。

どうやら、皆私の雰囲気が変わったことに疑問を抱いているらしかった。


そんなにも、私は暗かったのだろうか。

でも、今は「明るい」と言われる。



私がこうやって変わることができたのは香織のおかげなのだと思う。

香織は、薫のように私を壁の中から出してくれた。


そして、護ってくれようとした。
いや、護ってくれた。




こうやって、今、私が明るく時間を過ごせるように―――



その時、教室にある声が響いた。
その声の主は、あなたでした。


「おはよ。」
「お、薫。おはよっ!」


男子たちが話し始めた相手は、薫だった。

久しぶりにまともに薫をみた。



薫はあの時と何も変わっていなかった。
いや、変わっているのかもしれない。


凛々香と今どうなっているのだろうか。
付き合っているのだろうか。

執事の仕事はうまくいっているのだろうか。


でも、それでも、薫は薫だった。




薫の声や笑顔は何も変わっていなかった。

それだけでも、私は嬉しかった。


たとえ、今薫の中に私がいないとしても、私の大好きだった薫がそこにはいたから。


だから、また、私はあなたに恋をします。

そのためにはまず・・・―――


「お、おはよう。」


「っ・・・。お、はよ」



この言葉から始めます―――


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