夢中パラダイス!?
「話って?」
「姫乃。俺らさ、別れたよな?」
その言葉に心が少し痛む。
「最近俺、わからなくなってきてさ。」
「わからない?」
「姫乃の行動が。急に話しかけてくるようになった。」
それは、また薫に私のことを好きになってもらいたかったからだ。
その行動が不思議だから聞きたかっただけなのか?
「錯覚に陥ってるっていうかさ。まだ、姫乃と付き合ってるみたいで。」
「そ、それは」
「違うことはわかってる。でも、ちょっと思っただけな。で、こっからが本題」
本題?
「まだ話があるの?」
「俺、別に姫乃にこんなこと言う意味ないと思ってる。でも、言わないとなんか、変でさ。このあたりが・・・」
薫が指をさしたところ。
それは薫の左胸。
心のある場所。
「なにが?何が変なの?」
「まぁ、あんまり気にすんな。これも錯覚だって、きっと。」
「そう。で?話は?」
「うん、俺実は」
この後何て言われるのか怖かった。
でも、ちゃんと受け止めようと思っていた。
今回でだめなら、もう私は諦める。
このまま、イジイジしていても余計に薫に迷惑をかけるだけだから。
でも、薫の口から出てきた言葉は、だれも予想できないような言葉だった。
だから私は、何も言うことができなかった。
―――今度海外留学することになった。
私の中で時間が一瞬にして止まった。