夢中パラダイス!?
僕はそこでまた新たな事実を知ることになった。
それは、緋絽さんと真紀子さんの結婚までの道のり。
それは、とても厳しい事ばかりだった。
「まずは、両親に認めてもらうことが第一だ。」
「はい。」
「私たちは大賛成だが、薫くんのご両親には自分で話をするんだぞ?」
「はい。」
「それから、次に」
これが、一番の難題だった。
僕が予想もしないような、とても辛い事だった。
「姫乃にふさわしい人になるために、しばらく違う家の執事になる。」
「え?」
「その家で、大切なことを学ぶんだ。」
「その間、姫乃お嬢様はどうなるのですか?」
「新しい執事を雇う。」
その言葉を聞いたとき、僕の体が固まった。
新しい、執事。
姫乃がその執事に一方的に好かれたり、好きになったりする可能性はゼロじゃない。
そのことで頭がいっぱいになった。
「これは、二人にとって大きな壁だな。でも、それを乗り越えなければならない。私も苦労したよ。でも、その壁を乗り越えてここにいるんだ。」
壁を乗り越える。
姫乃も、一緒に?
「頑張れるか?」
「・・・・・・」
「期間は約半年だ。」
「半年・・・」
「無理ならやめてもいいんだ。でも、姫乃との未来はない。姫乃を信じるのかどうか。薫くん次第だ。」
姫乃を信じるか信じないか。
そう言われて目が覚めた。
僕は自信がなかった。
ずっと、姫乃が僕のことを好きでいてくれる自信が。
でも、俺は、信じてみたい。
たとえ、姫乃が俺のことを信じてくれていなくても俺が
姫乃を信じる―――