夢中パラダイス!?

「いえ、ドライバーさんにお嬢様のことを任せてきましたから。」

「そう、じゃぁ行きましょうか。」



そして、僕は凛々香お嬢様の車に乗り、ある場所へ一緒に向かった。

そこは、あいつと出会った場所。



「好きな子を一人選んで?」

「え、でも、なぜですか?」


「いいの。選び終えたら教えてあげるわ。」


そこは、ペットショップ。


たくさんの犬や猫や熱帯魚までそろっていた。


その中から、一匹を選べ、というのはどういうことだ。

家で飼いたいのなら凛々香さんが選べばいい。
なのに、なぜ僕が?



とにかく、言われたとおりに一匹を選ばないといけないらしい。

店内を見て回る。


ダックスフント、チワワ、ポメラニアン、ラブラドールなどたくさんの種類がいた。


僕は猫よりも犬の方が好きだ。

それは子供の時、猫に思いっきり引っかかれたことでトラウマがあるからだ。


そういえば、犬に何かされたということはなかった。



そして、僕は見つけた。


「あ・・・」


『ハァハァハァッ』


そこにいたのは、一匹の白くてフワフワした毛を持つ『柴犬』。



「お前・・・」


『クゥン』


「決まったようね?」

「えっ」


「この子で問題なさそうね。私もきっと薫くんならこの子を選ぶと思ってたの。」


「そう、ですか。」

「どうする?この子にする?」



もう一度その柴犬を見る。

すると、その柴犬も僕の目を見た。


その時、僕は思った。



きっと、この子しかいない。


なぜかそう思った。


「この子がいいです。で、この柴犬はどうするんですか?」


「あげるのよ。姫乃さんに」

「え、姫乃にですか?」


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