夢中パラダイス!?
姫乃にこの柴犬をあげる?
どうして?
「姫乃さん、きっとこれから寂しい思いをすると思うの。だからこの子がいれば少しは、って思ったのよ。」
「凛々香さん・・・」
「さて、今日のお買いものは終わりよ?薫くんもいったん帰って、明日までにはうちに来てね?」
「はい。わかりました。・・・ありがとう、凛々香さん。」
「どういたしまして。これから頑張りましょ。」
そして、僕らはペットショップを出て鬼城家へ向かった。
「では、また後程」
そして、凛々香さんが帰ってから僕は準備をした。
まだ、姫乃お嬢様は帰って来ていないようだった。
「柏野!」
「はい、薫さん。」
「頼みがあるんだ。」
「なんでしょうか。」
「この後お嬢様が戻られたら、おそらく、いや、絶対僕はお嬢様の部屋にいると思う。お嬢様と一緒に。その時僕は柏野に電話をするから、ちゃんと出てくれよ?」
「ケータイにですか?」
「あぁ。それから、この柴犬を箱に入れてラッピングをして持って来てくれ。」
「この子犬をですか?!」
「ごめん・・・。でも、頼むから!柏野!」
「・・・・・・」
さすがの柏野も少し驚いたようだった。
僕がここまで柏野にわがままを言ったことはほとんどなかったから。
でも、これが最初で最後のわがままだと思ってほしかった。
「わかりました。お嬢様へのプレゼントですね?」
図星だったけど、そんなことは気にしない。
「頼めるか?」
「お持ちする直前に箱に入れましょう。その後はできるだけ早く出してあげてくださいよ?」
「ありがとう!柏野!」
そして、柴犬を柏野に預けてお嬢様の帰りを待っていた。
数分後、柏木さんと姫乃お嬢様が戻った。
「お帰りなさいませ。」