夢中パラダイス!?
そして、最後に僕は姫乃にある言葉を贈った。
今日はたくさん姫乃の名前を呼んだ。
姫乃に好きだと言われた。
僕は、それで十分だから。
これから頑張れるから。
姫乃も頑張れ―――
「姫乃、俺、姫乃のこと―――
すっげぇ愛してるから」
そして、僕は鬼城家を出た。
それからの日々は大変だった。
凛々香お嬢様は姫乃とは違ってとても大人っぽかった。
姫乃は手がかかって大変だった。
でもこの人は、そんなことは全然なく。
逆に、これがいい経験になるのかどうか、と言ったところ。
もっと厳しい仕事が多いのかと思っていたのに、そんなことは全然ない。
むしろ、楽だった。
でも、のちにわかってきたこと。
それは、僕自身ことではなく、姫乃のことだった。
姫乃には今新しい執事がついている。
その執事は時々僕に電話をくれた。
そうやってお嬢様の情報をくれていた。
本当はいけないことかもしれないけど、どうしても気になったから。