夢中パラダイス!?

そこで、いろいろな情報を得ることができた。


学園でも姫乃の行動はおかしかった。

僕がいなくなってからすぐに、学園内で行方が分からなくなったり、気が付いたら帰ってたり。



僕よりも姫乃の方がダメージはかなり大きかったらしい。


それでも、僕は姫乃と距離を取り続けた。




そして、完璧に姫乃の様子が変わってしまった―――



実は姫乃の今の執事は名前が「かおる」というらしい。
初めて連絡を取った時聞いた。


だからその時僕は「お嬢様にはそのことを言うな」と言った。

きっと、余計に姫乃が壊れてしまうと思ったから。


でも、それもそう長くは続くわけがない事くらいわかっていた。



そして、ある情報を得る。
それは、今の姫乃の執事と姫乃が付き合い始めたということ。



だから、僕は、姫乃の中から存在が消えた。



今まで泣いたことはなかった。

半年間だけ頑張ればいいと、姫乃のもとに帰れたとき、思いっきり泣こうと思った。



でも、この時、僕の目からはたくさんの涙が流れた。



止めることができなかった。


そんな時、優しくしてくれたのは凛々香お嬢様だった。


「今ここで泣いたって、何も変わらないわ。姫乃さんも辛かったんじゃない?まだこの先何があるかわからないでしょ?頑張りましょうよ。」


僕は、そんなお嬢様の言葉に救われるのだった。



そして、姫乃が俺のことを見なくなってかなりの月日が経った。


「薫」

ある日、凛々香お嬢様に呼ばれた僕。

最近は凛々香お嬢様は僕のことを『薫』と呼ぶようになった。
理由はわからないけど。


「今度プラネタリウムに行きましょ?」

「プラネタリウムですか?」


「気分転換よ。落ち込んでばかりだとふけるわよ?」


そんなこと、笑顔で言わないでください。
と思いながら、僕はその話に乗った。


どうやら、一番行きたいのはお嬢様自身らしかったから。



そして、その日が来た。



この日、何が起きるのかなんて誰も想像できなかった。


だから、すごく驚いたんだ。



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